川端誠司のホームページ

「詩人」川端誠司

音楽の他に詩やエッセイも書いています。
ここでは、私の作品を紹介しています。

オセロ仲間の友情

それはマグマのように熱くどんな岩よりもかたい
川端誠司

「咲き乱れる花」
川端誠司

ある日、ローカルの大会の試合の合間の休憩時に大会役員A氏がプレーヤーB氏に声をかけた。

A氏 「Bさん、今度全国大会の予選大会で選手宣誓をやっていただきませんか。」

B氏はA氏からの突然のオファーにちと驚いた。

B氏 「僕がですか。で、私がやるとしてどんな内容を盛り込めばいいんでか。」

A氏 「政治家の演説ではないんですからことばはすべてBさんにお任せします。
ぜひ何もない更地を咲き乱れる言葉の花々でいっぱいにしてください。」

B氏 「いやあ、Aさん、なかなか見事な形容をされますね。わかりました。この大役、私に引き受けさせてください。」

A氏 「お願いします。」
B氏 「当日はがんばります。」

B氏はつぶやいた。「そうか。ついに、自分が指名されることになったのか。
よし、やるぞ。がんばろう。何だか、幸せを感じてきちゃったなあ。」

                           (09年6月2日)

(注:今回のやり取りはオセロの大会の選手宣誓とは関係はありません。)

「ホームランは生まれるもの」  
川端誠司

「ホームランは打つんじゃない 生まれるんだ」

その監督の一言にハッとした 今まで自分は何を勘違いしていたのだろうか

高校の音楽の先生が述べた「曲はつくるものではない 生まれるものです」という言葉を思い出した

思った ああホームランも音楽と同じだったのだなと

打ちたい気持ちが先行し純粋に打席に向かう心を失わせていたのだ

結果の出ない主砲への非難罵倒  監督も自分もその中で
どれだけ耐え苦しんだだろうか

でもいい トンネル脱出はもう近いのだ

純粋な気持ちで打席に入りピッチャーの投球に集中する

初球甘く入ったストレートを見逃さず一心にバットを振り抜いた

カーンと鋭い金属音がして白球が急角度で夜空へ
レフトスタンドに向けて舞い上がっていく

ホームランだ ゆっくりと一塁に向けて走り出す

スタンドの大歓声がはっきりと聞こえてくる

かみしめるように一塁二塁三塁のベースを踏んでいく

最後にホームベースを踏むとチームメイトの嵐のような祝福が待っていた

監督と目と目があった  監督の一言が自分を蘇らせたのだ

あっこれで吹っきれたなと思った

僕は手渡されたマスコット人形をベンチの前でスタンドへ

向けて力いっぱい投げ込んだ

いま主砲が復活した                           

(08年7月12日)

囲碁川柳 2句

「おっとりと上手がめざすコミがかり」 自作

「高利貸し一目損に悲鳴あげ」     自作

(なお上の2句は「碁裡夢中囲碁いろは川柳」(著者中山典之 三一書房)という本に掲載されています。)

なおこの上手という字の読み方ですが「じょうず」と「うわて」のどちらも考えられますが
この句の場合は「じょうず」が正しい読み方になります。

◎ このページにあるものは特にことわっているものを除きすべて自作です。

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